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コラム

第157回

「美の祭典」

動物学的にいうと、霊長目真猿亜目ヒト上科人科 学名ホモ・サピエンス・サピエンス。

そして、万物の霊長といえば?そう、人間である。万物の霊長であるがゆえに、更なる進化をし続けなければならない。

優秀な遺伝子を残すために、頭脳明晰、眉目秀麗、才色兼備な人種を好む動物だ。なので、人類は、神のごとく崇拝する、憧れの対象が必要なのである。

常に、並外れた能力や美しさを持つホモサピエンス・サピエンスを求めるDNAなのである。その欲求が共通しているので、あらゆる事で、国で、世界一を競う祭典が行われてきた。

誰よりも足が速い方や、高く飛べる方や、力が強い方、技を巧みに操る方等、ともかく世界一を競わせる。これは、更なる進化を追い続けるホモサピエンス・サピエンスの特性なのである。

その特性が求める祭典の中に、まずは、容姿端麗が絶対条件となる、その年度の世界一の美女を決めるミスワールド、ミスインターナショナル、ミスユニバースがある。本物の才色兼備を競う祭典である。

このミス何々に選ばれる女性達は、顔やスタイルは勿論の事、教養、特技、頭の良さ、人柄、愛嬌、度胸、話し方等々、全てが評価の対象になる、完璧で理想的な女性達である。

完璧な美しさを競うのは、女性だけではない。この時代、メンズワールドもしっかり存在する。そう、今や、世界一のイケメンを決める祭典だってあるのだ。これも、進化を追い続ける特性のおかげである。

そんな超人類的な美は持てないにしても、並でも、並以下でも、少しでも美しくありたいと思うのも、人類の性であるので、進化に伴い美容関連の業界は成長を続けている。身だしなみは人類生活の基本である。

超高齢になったとしても、身ぎれいにすれば、外出も億劫でなく、どなたかとおしゃべりをするだけでも、健康維持につながり、予防医学の役も担うはずである。

見た目補正というのは、あらゆる問題解決に通じる。これは絶対に確信がある。なにしろ人類は、綺麗なほうが好きなのだ。そう作られているのである。

しかし、最近は理美容界の市場が減少気味だという。反面、美容家電やサプリメントの売り上げは伸びている。もっと言えば、美容整形の市場規模は拡大している。

見た目に対する人類の欲求は永久に不滅なのである。むしろ理美容界に思い切った変革が求められているのだ。

現実に、リーズナブルでシンプルなサロンが少しづつ増えている。カラーだけとか、カットだけとか、セットだけとか、現代の生活者に合ったサービスモデルである。欲求は変わらないが、提供する側には、挑戦する勇気や努力が求められるという事だろう。

それにしても、遺伝子的に恵まれた美男美女軍団は実に羨ましい。今年の世界一の美男、美女はどんな方々であろうか。

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