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コラム

第224回

「日本ベンチャー大賞」

2月26日ホテルニューオータニで、経済産業省とNBCの協賛による「新事業創造カンファレンス&Connect!」&「日本ベンチャー大賞」が開催され、会場には千人を超える人々が集い熱気に包まれました。

今年の「日本ベンチャー大賞」は、産学連携による創薬研究開発を行うペプチドリーム株式会社が選出され、総理大臣官邸で、安倍総理自ら表彰しました。

ペプチドリームは、東京大学研究者とプロ経営者とインキュベーターによって、2015年に一部市場に上場し、時価総額が2500億円を超えた東京大学発のベンチャー企業です。

経済産業大臣賞を獲得したのは、大手企業とベンチャー企業が連携して「自動運転技術でのロボットタクシー事業」を立ち上げたZMPとDeNAとソニーとのチームでした。
ロボットタクシーの実現は、過疎化が進む地域における人々、お年寄りや障害のある人々の新たな交通手段として期待が高まっています。

日本はリーマン・ショック以降、下降線をたどっていた未公開ベンチャー企業の資金調達が、6年ぶりに1100億円を超えましたが、米国ではベンチャー企業への投資額が6兆円に達しています。月間の起業数は、米国では50万社に対し、日本は1万社程、また、エンジェル投資家といわれる人は、米国では約27万人、日本は800人強といわれています。市場規模が違うといえども、資金調達を始めとする環境の差は、あまりにも歴然です。


ここ最近、日本ではコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)が次々と設立され、注目を集めています。CVCとは、事業会社が自己資金によって自ら投資活動を行うための機能を持つ組織のことです。 投資家から資金を集めキャピタルゲインを狙うベンチャーキャピタルと異なり、CVCでは本業との事業シナジーを目的にしています。

主なCVCは、リクルートインキュベーションパートナーズ20億円、YJキャピタル200億円、GREE Ventures20億円、KDDI Open Innovation Fund 50億円、ドコモ・イノベーションファンド100億円、フジ・スタートアップ・ベンチャーズ15億円etc、といった企業です。
スタートアップベンチャーへの投資活動を積極的に展開しています。

大手企業にとって、ベンチャー企業を投資支援することで、提携やM&Aの機会に繋がり、事業シナジーが生まれ、イノベーションに繋がります。

自前主義にこだわらない「自動運転ロボットタクシー事業」のような新たなビジネスモデルを実現してゆけば、産業の新陳代謝が進んでいくのだと思います。

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