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コラム

第228回

「出島・でこ会」

過日、2016年度の「でこ会」を行いました。
「でこ会」とは、インターウォーズの出島インキュベーションルームに参画している人たちの交流会の通称です。

出島インキュベーション」とは、長崎の出島から命名した、起業家を支援するために当社が提供しているインキュベーションサービスの名称です。

異文化の人々が、長崎の出島に集い交流することによって、コーヒー・ビール・じゃがいも・キャベツ・トマト・ボタン・ピアノ・バドミントンなどが誕生し、日本に大きな影響を与えました。

新たな商品やビジネスが生まれる時、必ず人との出逢いがあります。ハーバードビジネススクールで提唱されている、自社の経営資源と他との連携によるオープンイノベーションの概念があります。

最近、大学で研究開発した技術ライセンスの活用や、外との連携によって共同開発している企業が増えています。
ディー・エヌ・エー(DeNA)は、ベンチャー企業のZMPと連携した「自動運転ロボットタクシー」や、フランスのEasyMile社と提携し電気無人運転バスを使った交通サービス「Robot Shuttle」のリリースが話題となりました。
こういったベンチャーと大手企業の連携の実例は、今後増えてくると予測されます。

近年、ベンチャー集積地の渋谷や六本木が変わりつつあります。
フィンテックは大手町や丸の内、医薬関連は日本橋、インターネットは五反田といった街に新興企業が集っていますが、同じ業界の企業が同じエリアに集積していると、イノベーションが起きにくくなると思います。

同業種の人達が集うと、競合なのでマーケティングやコスト思考に偏ります。
イノベーションには混沌とした出会いが必要であり、業務領域によって地域が別れるのではなく、ベンチャーキャピタルを始め、多様なナレッジを持つ人材が生態系を形成する森のように集まっていることが重要です。

今でも、シリコンバレーやボストンの周辺エリアで革新的なビジネスが生まれイノベーションが起こっているのは、多種多様な業種の人たちが存在しているからです。

混沌とした文化の交わりの「出島」からイノベーションが起こったように、当社の「でこ会」を通じて様々な業種の人たちが出逢い、新たなビジネスが創生される機会をこれからも創り出してゆきたいと思います。

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