column

コラム

第232回

「第四次産業革命の第二の幕開けは、働き方革命」

2016年は、世界同時株続落とマイナス金利導入でスタートし、産業構造の変化のスピードが速まった年でした。

経済の歴史は、蒸気機関の出現がもたらした第一次産業革命から、電気エネルギー大量生産の第二次産業革命、コンピューターによる第三次産業革命をたどり、1995年から世界が繋がったインターネット化は、産業史に残る文明レベルの第四次産業革命の時代となりました。

この間で誕生したグーグルを始め、アマゾン、アリババ、フェイスブックは、世界の人々のライフスタイルを変えました。

7月25日、「ソフトバンクが、英国の半導体設計ARMを3.3兆円で買収」するニュースは大きな話題を呼びました。日本企業のM&A案件として、過去最大です。
孫社長には、IoTによってあらゆる身近なモノやコトがインターネットにつながり、産業の構造が変わる景色が見えるのだと思います。ARMを中核に更なる飛躍を狙い、サウジアラビア政府系と共に巨額な投資ファンドを立ち上げ、「テクノロジー分野のバークシャー・ハサウェイを目指す」勝負に出ました。

昨年4月に発売されたApple Watchは、最も注目されるIoTの実例です。
心拍センサーや加速度センサーを搭載し、健康状態や位置情報の取得や、iPhoneとの通信によって音楽再生・電話・Siriなど様々な機能を簡単に使えます。

iPhoneがスマートフォン市場を創造し、人々のライフスタイルを変えました。
フォルクスワーゲンが車載器とApple Watchの連携を発表したように、様々なモノとの連携がApple Watchの可能性を拡げています。
IoTやAIやビッグデータの潮流は、第四次産業革命の第二の幕開けとなってきました。

また、IoT、ビッグデータ、AIの進展により、既存の労働領域が数百万人規模で失われると予測されています。日本では少子高齢化に伴い、労働人口が減少し深刻な人手不足が懸念されています。 長崎ハウステンボスのホテルで、ロボットによる接客が注目されていますが、人材採用に苦戦している業界や企業では、こういったIoTやAIを活用し人手不足を補う動きが出てきました。

また、徳島の神山町サテライトオフィスによるワークスタイルや、リクルートマーケティングパートナーズが、幸せな働き方を模索し、全従業員が何処でも仕事ができる「リモートワーク」に取り組み始めました。
こういったワークスタイルは、働き方革命時代の幕開けの予兆なのかもしれません。

コラムを毎月メルマガでご購読