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コラム

第247回

「世紀のイノベーター佐々木正さん」

2018年1月31日、電子立国日本の礎を築いた偉人であり、私が敬愛する佐々木正さんが、102歳で天寿を全うされました。

20年程前、佐々木さんに技術開発の相談をしていた時、弁当を食べながら「これからの時代は、車の塗料から太陽光のエネルギーを取り入れて走る車を造ったらおもしろい。僕はまだ80歳を過ぎたばかり。ベンチャーを起業しようと思っている」と、未来を見据え語っていた顔が忘れられません。

そして、「あなたの仕事は、これからの日本にとって大切な仕事だ」とエールと勇気をいただきました。

その後、何度かお会いさせていただき多くの事を学びました。中でも「解らなければ聞けばいい。聞かれたら自分の解ることは何でも教える。無いなら借りればいい。あるものは与えるべき。一人でできることなど知れている。技術は皆で共に創る『共創の精神』が肝心だ。成功している企業には共通して、共創の精神がある。一社単独でやっていても限りがある」といった言葉に刺激を受けました。

私が語るまでもありませんが、佐々木さんは電卓の生みの親であり、液晶や太陽電池などの開発に関わり半導体産業の礎を築いた世紀のイノベーターです。スティーブ・ジョブズや孫正義さんに影響を与えたといわれています。

ソフトバンクの孫さんの「大恩人」として知られているので、そのことを佐々木さんに尋ねると、「孫君は、もういいといっているのに、今もお金を送ってくる。」との言葉が返ってきました。孫さんが、一代で6兆円を超えるスケールのグローバル企業グループを創り上げた理由の一端を垣間見た気がしました。

人との出逢いが、人生を根底から変えることがあります。 アップルを追われたジョブズが、佐々木さんに会うために来日し、「次に何をするか」と相談した際、ソニーの大賀さんを紹介され、その後iPod、iTunes、iPhoneが誕生するストーリーが生まれました。

「人との『共創』によって『思いをかたち』にしてゆく道筋は、永遠に変わらない」
佐々木さん、勇気・希望・教訓をありがとうございました。合掌。

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