イントレプレナー塾
創業149年の老舗・廣貫堂が挑む「未来へのステージに向けた変化と進化」

インターウォーズの吉井慎人が、株式会社廣貫堂を二人三脚で率いる山﨑 誠治社長、塩井 貴晴副社長にお話を伺いました。今回は、若きイントレプレナー2名の取り組みをどのように見ているのか、そして、富山県という地域にどんな可能性を感じているのかについて、お話をお伺いしています。
吉井(インターウォーズ):本日はお時間を頂き、ありがとうございます。
まず、創業149年の歴史を持つ廣貫堂さんが、なぜ今「イントレパス富山」に挑まれたのか、そして今日は、お二人の経営体制としてどんな想いで若手イントレプレナーを送り出されたのか、伺っていきたいと思います。
山﨑社長:こちらこそ、よろしくお願いします。
廣貫堂は明治9年(1876年)に創立され、「救療の志」を掲げて和漢薬を中心に事業を展開してきました。2025年で創業149年になりますが、歴史を守るだけでなく、いま「次のステージ」へと本格的な転換期に入っていると自覚しています。
目次
廣貫堂は今、どんなフェーズにあるのか
吉井:社長が「転換期」とおっしゃった背景について、もう少し具体的に教えてください。
山﨑社長:はい。私共はこれまで、配置家庭薬を中心とした“和漢薬の老舗”として信頼を築いてきました。しかし、時代は変わっています。健康・美容・ウェルネスに対するニーズが多様化し、我々を取り巻く環境は地域もグローバルも含めて目まぐるしく動いています。
そのような外部環境に対して、廣貫堂の平均年齢はおよそ38歳と若いことから、新しい価値観をもつ若手社員に“未来をつくる挑戦”の機会にして欲しいと思い、メンバーを選抜して「イントレパス富山」に送り出したいと思いました。会社としても変化と進化を促すために大きく舵を切るフェーズだと位置づけています。
社内公募と “2名の選出理由”
吉井:今回、若手2名をプログラムに送り出されましたが、どのようにして選ばれたのでしょうか。
塩井副社長:社内公募から7名の応募があり、全員にプレゼンテーションをしてもらいました。その中で「想い」「事業の目の付けどころ」「起業内起業家としてのセンス」を基準に選定しました。荒削りではあっても、“自分で仮説を立てて動ける人材”を信じて送り出したいと思ったからです。

「イントパス富山」の事業案発表の場に込められた熱量と成長
吉井:事業発表会当日、会場の雰囲気はいかがでしたか?
塩井副社長:驚きました。富山という地域柄、「控えめ」と言われることもある中で、2名を含む富山のイントレプレナー参加者とその企業の経営者全員が作り出す熱量が非常に高かったと感じました。
社内外を巻き込んで、異業種の人たちと本気でプレゼンテーションするその空気感と熱量は富山が盛り上がる予兆を感じました。
吉井:お二人のプレゼンテーションとプログラムに参加したお二人の成長はどのように感じられましたか?
塩井副社長:一番驚いたのは、この短期間で事業計画の道筋がしっかり描けていたことです。発表の内容も、単なるアイデア紹介ではなく、事業計画の道筋がしっかり作られていましたし、そこに、彼ら自身の自信と覚悟が乗ったプレゼンテーションになっていて、正直「ここまでのレベルに到達したか」と驚きましたね。インターウォーズの方や異業種のメンバーとの壁打ちで揉まれて、切磋琢磨したのでしょうね。
吉井:発表の締めくくりで出てきた、「この事業を実現するために覚悟していますので、ぜひ私に任せてください」という一言には、会場全体がどよめきましたよね。
あの瞬間は、他の会社の経営者さんたちも、ちょっとうらやましかったのではないでしょうか。
山﨑社長:そうですね、あれは私も本当に驚きました。あの場面で、あそこまで言い切るには、自分なりに考え抜き、覚悟を固めていないとできません。
加えて、我が社からは私と塩井副社長に加え、他のメンバーも含めて経営陣が5人も会場に足を運びました。その姿を通じて、「廣貫堂の経営陣は、新規事業に本気で取り組んでいる」というメッセージも、社員にも伝わったのではないかと思っています。
吉井:そうですね。他の会社のイントレプレナーの方々が、「廣貫堂さんがうらやましい。うちの会社も、ここまで経営陣が本気だといいのに。」とおっしゃっていたのが、印象的でした。

経営陣が本気で発表の場に立ち会い、そこで若手社員が覚悟をもって「任せてください」と言い切る。その構図自体が、まさに“次の廣貫堂”の姿を象徴していたように感じます。
廣貫堂が大切にするテーマ:健康と笑顔、寄り添い
吉井:御社が掲げる「健康」「笑顔」「寄り添い」というテーマについて、お話を伺えますか。
山﨑社長:私たちの原点は「人に良質な医薬品」を提供することであり、「健康」をテーマに「救療の志」を広く貫くことです。そして今回の提案のテーマにも挙げられた、「トリプルパンチ世代(仕事×育児×介護)」や、今年の流行語大賞にノミネートされた「薬膳」など、健康課題を抱える人々に寄り添いたいという点は、会社としても良いテーマだと思いましたね。奇をてらうのではなく、廣貫堂らしい価値をどう差別化して届けるかが成功の鍵だと考えています。
2つの案は「融合できる」――次なる可能性
吉井:若手2名の事業案について、どんな展望をお持ちですか?
山﨑社長:まだ当人たちには詳しくは伝えていませんが(笑)、2つの提案には“融合できる”可能性があると感じています。一緒に進められればより強い事業になると思います。今後、どこまでそれぞれの事業計画を成熟させられるか楽しみにしています。
まとめ
吉井:本日は、廣貫堂さんの「歴史を活かしながら未来へ踏み出す姿」について貴重なお話をありがとうございました。イントレプレナーのマインドをもった社員とともに次のステージに挑むこの流れは、富山という地域にとっても大きな意味を持つと感じます。
山﨑社長:こちらこそありがとうございました。
塩井副社長:今回のプログラムを通じて、「自分が会社をリードする側に回る」というスイッチが入ったメンバーの姿を見せてもらいました。これからも挑戦し続ける企業として、地域・人・価値を大切にしながら次のステージに向けて歩みを進めてまいります。
※本インタビュー内容は、イントレプレナー育成プログラム終了後の対話をもとに、一部要約・再構成しています。