イントレプレナー塾
大手企業の新規事業5選:立ち上げ成功例から学ぶ背景と教訓
目次
はじめに
大手企業が新規事業に挑戦する際、既存のビジネスモデルや組織文化との摩擦、未知の市場への進出など、多くの課題に直面します。しかし、これらの挑戦を乗り越え、成功を収めた事例も少なくありません。
本記事では、日本の大手企業が手掛けた5つの新規事業を取り上げ、その成功の背景や学びを探ります。
事例1: 日本製鉄の社内起業制度から事業化された「KAMAMESHI」
日本製鉄株式会社は、製造業の未来を支える新たな仕組みを目指し、スタートアップ企業「KAMAMESHI」を立ち上げました。
同社は、日本の中小製造業が抱える設備老朽化や部品調達の課題に対し、企業間のリソースシェアリングを促進するプラットフォームを提供しています。
これにより、業界や地域を超えた連携が実現し、製造業全体の持続可能性向上に寄与しています。
事例2: 味の素新の規事業創出プログラム「A-STARTERS」第1号案件「LaboMe®︎」
LaboMe(ラボミー)公式サイト | セルフケアのサブスクリプションサービス
味の素株式会社は、女性のセルフケアをサポートするプロダクト&コミュニティサービス「LaboMe®︎」を開始しました。
毎月、専門家が厳選したセルフケア商品を提供するとともに、コミュニティ内で情報共有やイベントを開催し、女性の心と体の健康を総合的に支援しています。
事例3: 「イントレプレナー塾」参加者が事業化した吉野家の「やさしいごはんシリーズ」
【吉野家】高齢者向け牛丼の具 「吉野家のやさしいごはん®」にレトルト商品が登場
株式会社吉野家は、高齢者や嚥下機能が低下した方々向けに「やさしいごはんシリーズ」を展開しています。
通常の牛丼の味を維持しつつ、食べやすさや栄養バランスに配慮した商品開発を行い、病院給食や介護施設などでの需要を獲得しています。
事例4: NTTドコモの新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」を通じて誕生した「coordimate」
coordimate – docomo STARTUP – NTTドコモ
株式会社NTTドコモは、ファッション相談アプリ「coordimate」を提供しています。
ユーザーがコーディネート写真を投稿すると、一般女性のファッションアドバイザーからリアルタイムでフィードバックを受け取ることができ、消費者の購買行動に新たな価値を提供しています。
事例5: 「イントレプレナー塾」4期生が事業化したコスモスイニシアのアパートメントホテル「MIMARU」
【公式】キッチン付き | アパートメントホテルミマル(MIMARU) MIMARU
株式会社コスモスイニシアは、キッチン付きのアパートメントホテル「MIMARU」を展開しています。
家族やグループ旅行者向けに広々とした客室を提供し、長期滞在や自炊が可能な環境を整備。
これにより、訪日外国人旅行者や国内のファミリー層から高い評価を得ています。
新規事業化の成功例における5つのポイント
1. 顧客ニーズを深く理解
新規事業の立ち上げにおいて、各企業が徹底的にターゲット顧客のニーズを理解している点が共通しています。
ユーザー視点での商品設計やサービス内容が、成功への鍵となっています。
2. 市場における差別化
競争が激しい市場であっても、それぞれの事業がユニークな価値を提供しています。
これにより、消費者やクライアントに選ばれる存在となっています。
3. 柔軟な対応力
市場や顧客の変化に対して柔軟に対応できる組織体制や事業運営が、成功の重要な要素となっています。
特に、迅速なフィードバックループを活用して改善を繰り返しています。
4. 自社経営資源の活用
各企業は、自社の既存資産やブランド力を有効活用し、新規事業に生かしています。
これにより、コストを抑えつつ信頼性の高いサービスを提供しています。
5. 外部との連携
外部のスタートアップや専門家との連携を通じて、リソースの補完やイノベーションを促進しています。
これが新しい価値創造につながっています。
まとめ
メーカー、通信、サービス、様々な業種の新規事業立ち上げ事例を5つご紹介いたしました。
大手企業が新規事業に挑戦し、成功を収めるためには、顧客視点に立ったサービス設計や柔軟な対応力や連携が求められます。また、既存のリソースを効果的に活用し、新たな市場ニーズに応えることが重要です。
今後もこのコラムでは新規事業担当者のみなさんが抱える課題を解消できる内容を順次発信してまいります。
30期に至るまで多数の事業化実績を有するイントレプレナー塾とは?
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